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ルリフィナさんはときどきオーク その4

前回の続きです。

ブログ版が読みにくい人はPixiv版のほうをどうぞ。

※この作品には下品で変態な要素があります。





 あれから一ヶ月……。

 俺は実践訓練や冒険者ギルドの依頼を繰り返していた。
 他にも乗馬の訓練や商人との交渉など、冒険者にとって役立つ事をいくつか学んだりもした。

 そして……今俺はルリフィナさんが泊まる宿屋の部屋にいる。

「それじゃあ能力鑑定板(ステ-タスプレート)で鑑定してみて」

 ルリフィナさんにそう言われ、俺はテーブルの上に置いた能力鑑定板(ステ-タスプレート)の上に手を乗せる。

「ステータス」

 能力鑑定板(ステ-タスプレート)に俺の能力が表示される。



【スズナカ スミ】レベル18

 種族:異世界人(♂)
 職業:探索者(サーチャー)

【称号】

 転移者
 Eランク冒険者
 ルリフィナの弟子

【基本能力】

 筋 力:E
 耐 久:E
 魔 力:E+
 器用さ:E
 敏 捷:E

【技能】

《戦闘系》
 こぶし/パンチ :Lv9
 キック     :Lv11
 頭突き     :Lv7
 組みつき    :Lv9
 ナイフ     :Lv8
 小さい棍棒   :Lv8
 杖       :Lv8
 手斧      :Lv7
 手槍      :Lv7
 盾       :Lv7
 拳銃      :Lv1
 サブマシンガン :Lv1
 ショットガン  :Lv1
 マシンガン   :Lv1
 ライフル    :Lv1

《探索系》
 目星      :Lv10
 図書館     :Lv3
 聞き耳     :Lv10
 鍵開け     :Lv1
 隠す  :Lv4
 隠れる  :Lv8
 忍び歩き  :Lv8
 追跡  :Lv6
 ナビゲート  :Lv6

《運動系》
 回避  :Lv9
 投擲  :Lv11
 水泳  :Lv5
 跳躍  :Lv6
 登攀  :Lv6

《交渉系》
 言いくるめ  :Lv1
 説得  :Lv1
 信用  :Lv2
 値切り   :Lv2
 心理学  :Lv1

《知識系》
 オカルト  :Lv1
 医学  :Lv1
 化学  :Lv2
 経理  :Lv1
 考古学  :Lv1
 人類学  :Lv1
 生物学     :Lv3
 地質学   :Lv1
 電子工学  :Lv1
 天文学  :Lv1
 博物学  :Lv1
 物理学  :Lv1
 法律  :Lv1
 薬学  :Lv1
 歴史      :Lv1

《技術系》
 応急手当  :Lv4
 精神分析  :Lv1
 乗馬  :Lv2
 コンピュータ  :Lv2
 機械修理  :Lv2
 電気修理  :Lv2
 写真術  :Lv2
 重機械操作  :Lv1
 変装  :Lv1
 運転(自転車) :Lv2
 芸術(料理)  :Lv3

《固有系》
 人語自動翻訳 :LvMAX



「うんうん、随分と成長したわね♪」

 ルリフィナさんは能力鑑定板(ステ-タスプレート)に表示された俺のステータスを見ながら嬉しそうに言う。

「今のあなたなら、Eランクの冒険者として十分通用すると思うわ」

 ルリフィナさんの特訓によって俺の能力は思った以上に上昇していた。
 体術もそうだが武器もある程度なら使いこなせるようになったし、街の周辺にいる魔物くらいなら一人で楽に倒すことができる。

「ありがとうございます、これもルリフィナさんの特訓のおかげです」

 自分で言うのもなんだが、ルミナ草の採取ばかりしていた二ヶ月前からは想像できない成長ぶりだ。

「感謝するのはまだ早いわよ、あなたには一人前の冒険者になってもらうんだから」

 成長したと言っても俺はまだEランク……目標である一人前の冒険者にはまだ遠い。

「それじゃあ次の目標はDランクに上がることね」
「そのためには昇格するための『条件』をクリアしないといけないわけですが……」

 冒険者ランクの昇格には冒険者ギルドが設定した『条件』を達成する必要がある。
 その『条件』はランクによって異なる。

 例えばEランクなら『冒険者ギルドで指定されたEランク以上の魔物の討伐』が昇格の『条件』となっている。

 そしてDランク昇格の条件は……。

『冒険者ギルドで指定されたDランク以上の魔物の討伐:十体』
『Eランク以下の冒険者のパーティー(二人以上)での依頼(Eランク)の達成:十回』

 Eランクの昇格条件と比べると、一気に難易度が上がっている。
 それでも人によっては、すぐに条件を満たしてDランクに上がってしまうらしい。

 ちなみに俺は『冒険者ギルドで指定されたDランク以上の魔物の討伐:十体』の条件は既に達成している。

「問題はパーティーを組まないといけないってところですね」

 それもEランク以下の冒険者と組まなくてはならない。

「パーティーを組むなら冒険者ギルドの掲示板を利用するのが基本ね」

 冒険者ギルドの掲示板には依頼の他に冒険者によるパーティーメンバーの募集が張られている。

「EランクやFランクは募集も多いしパーティーを組むのはそこまで難しくないと思うわよ」

 低ランクの冒険者は数も多く、まだ固定パーティーもできていないので他のランクと比べると募集が多いと言われている。

「そうかもしれませんけど……」

 自慢じゃないが俺はルリフィナさん以外と未だにパーティーを組んだことがない。
 もちろん、ルリフィナさんはSランクなので条件を満たすことはできない。

 俺にとって初対面の人とパーティーを組むというのは難易度が高いのだ。

「条件的に私は手伝えないし、それにちょっと用事ができてね」
「用事ってなんですか?」
「冒険者ギルドからの呼び出しで緊急の依頼を受けることになって、今日から少し街を離れることになったのよ」
「随分急ですけど何かあったんですか?」

 Sランクのルリフィナさんが呼び出しを受けるなんて余程の事が起きたのかもしれない。

「山賊に隣街が占拠されたから取り返してくるわ」

 山賊が旅人や山村を襲う話は聞いた事があるが、街を占拠するなんて聞いたことがない。

「隣街を占拠って……それって本当に山賊なんですか?」

 山賊には元冒険者が多く、冒険者として生活していけず脱落していった者達がほとんどらしい。
 そのため数は多くても戦闘力自体はたいしたことがない場合が多い。
 もちろん例外もあるが、それでも衛兵や多くの冒険者がいる街を占拠できるような力は無いはずだ。

「自分達で山賊団って名乗ってるらしいからね……『サイトウ山賊団』だったかしら?」
「サイトウって……もしかして斉藤!?」
「何か知ってるの?」
「その……この件には自分と同じ世界の人間が関わってるかもしれません」

 斉藤は、この異世界に転移してきた俺と同じ学院のクラスメイトだ。
 話した事はほとんどないので詳しい事まではわからないが、よくクラスで柄の悪い生徒達と騒いでいたのを憶えている。
 正直、まり関わりたくないタイプの人間だと思う。

 ちなみに下の名前は覚えてない。

「それって、あなたの知り合いが山賊団の中にいるかもしれないってことね?」
「おそらく、その山賊団の名前になってる人物だと思います」

 サイトウ山賊団なんて名乗ってるくらいだから山賊団のボスは斉藤なのかもしれない。

「あなたと一緒に転移してきた異世界人ってことはレアクラスなんでしょ?」

 ルリフィナさんには俺がクラスメイトと一緒に転移してきた事は話してある。

「そうですね、詳しいクラスまでは憶えてないですけど戦士系だったと思います」

 斉藤とは関わらないようにしていたので詳しいクラスまでは憶えていない。

「情報ありがとう、山賊団の件に関してはこっちでなんとかするから、あなたはDランクに上がることに専念して」
「でも、ルリフィナさんの方は大丈夫なんですか?」

 ルリフィナさんの実力は知っているが、街を占拠するほどの相手となると不安を感じてしまう。
 だからといって俺に何ができるわけでもないのだが……。

「もしかして私のこと心配してくれてるの?」
「それはまあ……ルリフィナさんが強いのはわかってますけど、やっぱり心配になりますよ」
「ふ~ん、そうなんだ~♪ブヒヒ~♪」

 ルリフィナさんは嬉しそうに下品な笑みを浮かべる。

「大丈夫よ、今回は私一人じゃないし他の冒険者達も大勢いるからね、それに王国の騎士団とも協力するって話だから余裕だと思うわよ」

 王国の騎士団の事までは詳しく知らないが、それなら結構な数になるだろうし安心できるかな?

「そ・れ・よ・り!!あなたは私が街に戻ってくるまでにパーティーを組んで依頼をこなしておくこと!!」
「は、はい、がんばります!!」

 そういえばパーティーを組まないといけないのか……ルリフィナさんより自分の心配をしたほうがいい気がしてきた。

「それでルリフィナさんは何日くらいで帰ってくるんですか?」

「う~ん、正確な日数はわからないけど、早くても一週間はかかると思うわ」
「早くて一週間ですか、思ったより時間がかかるんですね」

 てっきりもっと早く帰ってくるのかと思っていた。

「隣町っていっても結構な距離があるし、馬を走らせてもそれなりに時間がかかるのよ」

 この世界では現代日本のように車や電車があるわけではないので、移動に関してはかなり不便さを感じる。

「まあ飛行魔法やドラゴンにでも乗れるんならもっと早く移動できると思うわよ……まあ私はそんな技能(スキル)持ってないけどね」
「そんなことができるのは、ごく一部の人だけですね」

 そんな技能(スキル)を持っているのは、俺のクラスメイトのような一部のレアクラスの人間だけだ。

「そんなわけで私がいなくても、がんばってね♪」

 ブリブリィ!!ブビィ!!

 部屋の中に下品な音が響き渡る。
 もちろん、ルリフィナさんのオナラの音だ。

「しばらく人前でオナラできないと思ったら、つい出ちゃったブヒ♪せっかくだから今のうちにたくさん出しておくブヒ♪」

 ブリブリィ!!ブバァ!!

「だからって今オナラしなくても……」
「もう少ししたら宿を出ないといけないから、今しかオナラする時間がないブヒ」

 そう言ってルリフィナさんはお尻からオナラを垂れ流す。

 ブリブリィ!!ブビィ!!ブリブリィ!!ブバァ!!

「前から思ってたんですけど、よくそんなにオナラが出ますね」
「豚魔法の技能レベルを上げるとオナラもたくさん出せるようになるのよ」

 豚魔法の技能(スキル)にそんな効果があったとは知らなかった。
 オナラに様々な効果を付与する豚魔法だからこそ、技能レベルが上がればオナラがたくさん出せるようになるのかもしれない。

「ブヒヒ、毎日あなたにオナラの臭いを嗅がれていたらスキルレベルがあがって、前よりもたくさん出せるようになったのよ♪」

 ブリブリィ!!ブビィ!!

「俺が嗅いでたというか、嗅がされていたような……っていうか、オナラを嗅がれるとスキルレベルが上がるんですか?」
「他の技能(スキル)にも言えることだけど、技能(スキル)を使う対象がいるほうがレベルが上がりやすいのよ」

 つまり豚魔法の場合はオナラを嗅いでくれる相手がいた方が技能経験値が溜まりやすいということらしい。

 ブリブリィ!!ブバァ!!

「じゃあ武器技能を上げたい場合は素振りよりも直接相手を攻撃したほうがいいってことですね」
「そうね、特に武器等の戦闘系の技能(スキル)に関しては実戦が一番効率的だって言われてるわ」

 実戦こそが技能レベルを上げるための近道のようだ。

 ブリブリィ!!ブビィ!!ブリブリィ!!ブバァ!!

「特に強い相手を倒すと技能レベルが上がりやすく……」
「あの……いつまでオナラしてるんですか?」

 ルリフィナさんのオナラが部屋中に充満して、部屋のどこにいてもオナラの臭いしかしない。
 ルリフィナさんのオナラに慣れた俺だから耐えられるが、宿屋の店員がこの部屋に入ったら臭いで気絶してしまうかもしれない。

 ブビィ!!ブバァ!!ブリブリィ!!

「てへっ♪」
「かわいく笑ってごまかさないでください」

 それからしばらくオナラを垂れ流すとルリフィナさんはすっきりした顔で山賊退治へと出かけていった。




 ルリフィナさんと別れた後、俺は一人で冒険者ギルドに来ていた。

「このままルリフィナさんの帰りを黙って待っているわけにはいかないよな」

 パーティーを組んで依頼を達成しないとDランクに上がれないなら、苦手だとしてもやるしかない。
 とりあえず冒険者ギルドの掲示板に張ってあるEランク以下のパーティー募集の張り紙を確認していく。

 パーティー募集:Eランク 回復職、主に神官(プリースト)性別不問。
 メンバー:戦士(ファイター)♂ 魔法使い(ウィザード)♀

 パーティー募集:E~Fランク 神官(プリースト)女性限定。
 メンバー:剣士(フェンサー)♀ 魔法使い(ウィザード)♀

 パーティー募集:E~Fランク 回復職、主に神官(プリースト)女性限定。
 メンバー:剣士(フェンサー)♂ 槍使い(ランサー)♂ 狩人(アーチャー)♂

 パーティー募集:Eランク 盾役ができる騎士(ナイト)性別不問。
 メンバー:魔法使い(ウィザード)♀ 神官(プリースト)♀

 パーティー募集:E~Fランク 神官(プリースト)性別不問。
 メンバー:騎士(ナイト)♂ 盗賊(シーフ)♂

 パーティー募集:E~Fランク クラス不問 性別不問。
 メンバー:姫騎士(プリンセスナイト)♀

 いくつか確認してみたが、こうして見ると神官(プリースト)の需要が高いのがわかる。
 回復職は限られているが、前衛職は数が多いので溢れているのかもしれない。

 この姫騎士(プリンセスナイト)♀の人の募集なら条件に当てはまりそうだけど……。

「あの……ちょっといいですか?」

 俺が悩んでいると受付嬢のお姉さんが話しかけてきた。
 この人とは依頼の受諾と報告で何度も話しているが、彼女から声をかけられたのは初めてかもしれない。

「はい、なんですか?」
「実はルリフィナ様のお弟子さんにお願いがあって……Fランクの冒険者が森に入ったまま昨日から戻ってこなくて、探しに行ってもらいたんです」
「詳しくお願いします」

 受付嬢のお姉さんの話によると、昨日からFランクの冒険者が依頼で街の近くにある森に入ったまま帰ってこないそうだ。
 同じパーティーにいた冒険者の話によると途中ではぐれてしまったらしく、気がついたらいなくなっていたそうだ。

「実はその冒険者と私は知り合いでして……冒険者ギルドからの依頼ではなく、私個人の依頼として受けてもらえませんか?」

 俺がルミナ草の採取やルリフィナさんと特訓をしていた森なので、探す分にはそれほど危険はなさそうだが……。

「依頼の内容はわかりましたが、なんで俺なんですか?他にランクの高い冒険者に依頼したほうが確実では?」

 俺は駆け出しに毛が生えた程度のEランクの冒険者だ。
 直接指名されるような名声も実力も持ってない。

「知っているとは思いますが、現在は山賊団関連の依頼で高ランクの冒険者達が街にいないんです」

 どうやらルリフィナさんと同じく、山賊団から隣街を奪還するために街を留守にしているようだ。

「それに残っているCランクやDランクの冒険者に頼んだのですが断られてしまって……」

 わざわざFランクの冒険者の救助なんてしたくないってことだろうか?

「それで俺に声をかけてきんですね」
「あなたはルリフィナ様のお弟子さんですし、依頼に対する態度も真面目で信用できます」

 そういえば称号の『ルリフィナの弟子』から(仮)が消えていた。
 別に自分から弟子だとは誰にも言ってないはずなのだが……。

 まあ同じランクの冒険者に依頼を頼むなら信用できる人間に頼みたいという気持ちはわかる。

「わかりました、その依頼受けます」

 特に断る理由はないし、パーティーメンバーを探すのは後からでもできる。

「ありがとうございます!!それで探して欲しい冒険者なんですけど、ハーフエルフの少女なんですが……大丈夫ですか?」

 受付嬢さんはなぜか不安そうにそんなことを聞いてくる。

「ハーフエルフって俺は見た事ないんですけど、人間より耳が長くて尖ってる感じです?」

 この世界にもファンタジーでおなじみのエルフやドワーフといった種族が存在するらしいのだが、俺は未だに見た事がない。
 ゲームや漫画と同じ外見なら見ればすぐにわかりそうな気がする。

 ちなみにエルフやドワーフは亜人として分類されてはいるが亜人狩りの対象にはなっていない。
 戦争では魔王側には協力せず、一部のエルフやドワーフは冒険者として魔王軍と戦ったらしい。

「あ、はい、そうですけど……ハーフエルフですけど本当にいいんですか?」
「えっ?別にかまいませんけど……救助に行くのに種族が関係あるんですか?」

 ハーフエルフだと何か問題でもあるのだろうか?

「いえ、そうですね……私が気にしすぎていたようです」

 よくわからないが、受付嬢さんは何か納得したようだ。

「冒険者の名前は『リラ・アイオライト』薄いピンク色の髪をした小柄な少女です……どうか救助をお願いします」

 受付嬢さんは俺に向かって頭を下げる。

「わかりました、急いで準備して出発します」
「あの報酬に関してですけど……」
「それはまた帰ってきてから聞きますよ、それでは行ってきます」

 救助するなら急いだほうがいいだろう。
 昨日から帰ってきてないなら森の中で魔物に襲われて死んでいる可能性もあるけど、まあその時はその時だ。

 俺は急いで準備をすると森へと向かった。




 森の入り口に到着すると俺はさっそく技能(スキル)を発動する。

《追跡:Lv6 発動》

 この『追跡』という技能(スキル)は柔らかい土か葉っぱの上を通った人や動物の跡を辿る事ができる。
 雨が降ったり日数が経っていると追跡は不可能になるのだが、最近は天気もいいし今回は問題ないだろう。

 俺は足跡の中から小柄な少女らしき足跡を見つけると、その跡を辿って進んでいく。

 この森には薬草採取や特訓で何度も訪れているので大体の地理は把握している。
 なので特に迷う事もなく足跡を辿って行くことができた。

 そして森の中をしばらく進んでいくと洞窟の入り口に辿りついた。

「この中にいるってことかな?」

 ここに洞窟があることは知っていたが中には特に何もなかったはずだ。

 地面をよく見ると洞窟の周囲には少女らしき足跡の他に大きな足跡が複数増えていることに気づいた。
 これはつまり……。

「用心して進んだほうが良さそうだな」

 入り口から覗いてみたが、洞窟の中は暗くなっており明かりをつけないと奥の方まではわからない。
 明かりをつければ自分の存在を知らせるようなものなので、仕方ないからこのまま進むことにする。

《忍び歩き:Lv8 発動》

 俺は足音をたてないように気をつけながら洞窟の中を進んでいく。
 最初は暗い道が続いたが少し進むと遠くに小さな明かりが見えてきた。
 そしてさらに進むと洞窟の奥に誰かがいることに気づく。

《隠れる:Lv8 発動》

 俺はとっさに近くの岩場に身を隠し、様子をうかがうことにする。
 すると松明に照らされた薄暗い空間から男性の声が聞こえてきた。

「ぐへへ、まさかこんな簡単な仕事でハーフエルフのガキが手に入るなんてな」
「まったくだ、コイツを親分の所に連れて行けば俺達の地位もグッと上がるってもんよ」

 声の主は柄の悪そうな二人の男だった。
 二人とも筋肉質で頭にバンダナを巻き、袖が破れた半纏のような服を着ている。

 おそらくこの二人は山賊だ。

「でもよ、このまま売っちまってもいいんじゃないか?」
「そうだな、ハーフエルフは高く売れるだろうし、それもいいかもな」

 男達の後ろには縄で縛られた少女らしき姿が見えた。
 おそらく生きているとは思うが、ここからでは暗くてよくわからない。

「それにしてもこのガキ、ずっと黙ってて不気味だな……普通のガキならこんな状況泣いてるぜ」
「亜人の血を引いた忌み子だ、普通の子供とは違うんだろうさ」

 すると男の一人が突然少女を蹴った。

「おらっ、泣けよ!!」
「……」

 蹴られたというのに少女は何も言わず黙ったままだ。

「ちっ、泣けって言ってんだろ!!」

 そう言って男は何度も少女を蹴る。

「てめぇにはもう何もないんだよ!!将来の夢も希望も全部奪われたんだ!!」
「……」

 それでも少女は黙って耐えているようだった。

「おい、おまえもちょっと手伝え、ムカツクからこのガキ絶対に泣かせてやる!!」
「仕方ないな……まあハーフエルフなんてこの世に存在してること自体が罪だからな」

 そう言ってもう一人の男も少女を蹴り始めた。
 男達が少女を蹴るのに夢中になっている間に、こちらも行動する。

 こんな光景を見せられるのは、そろそろ我慢の限界だ。

《忍び歩き:Lv8 発動》

 感情を押し殺し俺は気づかれないように男達の背後へと忍び寄る。

「ひひ、相変わらずおまえは亜人嫌いだな」
「当たり前だろ、亜人の血を半分引いてるなんて気持ち悪くて吐き気がする」

《小さい棍棒:Lv8 発動》

 俺は少女を蹴るのに夢中になっている男の頭に棍棒を思い切り叩きつける。

「あがっ!?」

 何かが割れるような音がすると頭を叩かれた男は首が変な方向に曲がったまま地面に倒れた。

「だ、誰だ、てめぇは!?」

 俺に気づいたもう一人の男が懐からナイフを取り出す。
 それと同時に俺は手に持っていた棍棒を投げつける。

《投擲:Lv11 発動》

「ぐへっ!?」

 投げつけた棍棒が男の顔面に直撃する。
 その隙をついてさらに攻撃を仕掛ける。

《キック:Lv11 発動》
《こぶし/パンチ:Lv9 発動》

「うごっ!!てめぇばぁ!!」

 男の腹を蹴りつけ、さらに顔面を拳で殴ると男は地面に倒れた。
 そして……。

《ナイフ:Lv8 発動》

 俺は懐からナイフを取り出すと男の喉下に……突き刺した。

「あっ……ぶへらっ!!」

 口から血を吹き出し男は絶命した。

「……」

 俺の中に魔物を殺した時には感じなかった後悔の感情が沸きあがってくる。
 冒険者をやっていれば、いつか人を手にかけることになるとは思っていたが……。

「……考えるのは後回しだ」

 投げた棍棒を回収すると俺は様態を確認するために少女に近づく。

 それは薄い桜色の髪をした小柄な少女だった。
 年齢的には俺よりもかなり幼く見える。

 そして少女の両耳は通常の人間よりも長く尖っていた。
 山賊の男達も言っていたし、彼女がハーフエルフであることは間違いないだろう。

「君がリラさんだね、俺は冒険者ギルドの依頼で君を助けに来たんだ」

 なるべく優しい声で少女に話しかける。

「リラを……助けに?」
「ああ、だからもう安心していいよ、悪い奴らは俺が……やっつけたから」

 そうだ、俺がこの手で殺したんだ……。

「お兄さん?」
「えっと……今縄を切るから動かないで」

 少女を縛っていた縄をナイフで切る。
 すると少女は立ち上がろうとするが……途中で体勢を崩して倒れそうになる。

「おっと、危ない!!」

 俺は倒れそうになった少女を思わず抱きとめる。

「はわっ!?ご、ごめんなさい!!」

 よく見ると少女の足から血が流れていた。
 どうやら逃げられないように足を傷つけられていたようだ。

 さっきも蹴られていたし、他にも怪我をしている所があるかもしれない。

 ルリフィナさんの治癒魔法なら簡単に治せるのだが……今はいないので俺がなんとかするしかない。

「リラさん、まずはこれを飲んで」

 俺は腰のベルトについているポシェットからポーションを取り出し少女に手渡す。

「は、はい……ごくごく」

 少女にポーションを飲ませると近くの岩場まで運んで座らせる。

「感染症とか怖いし、足だけでも簡単に治療しておこうか」
「かんせんしょう?」

 この世界では感染症って言っても通じないようだ。
 まあ治癒魔法でたいていの怪我は治ってしまう世界だから仕方ないか。

「これ以上悪くならないように先に治療しておこうってこと……ほら、足をだして」
「わ、わかりました……」

 俺は少女の小さな足に触れると……。

《応急手当:Lv4 発動》

 持ってきていた水筒の綺麗な水で汚れをとり、傷薬で消毒して包帯を巻く。
 ルリフィナさんの特訓で応急手当の訓練もやっておいたので、特に失敗することもなく治療することができた。

「とりあえずこれでいいかな」
「あの、その……ありがとうございます」

 少女は体調が悪いのか真っ赤な顔をしていた。
 だけど今はこれ以上の治療をすることはできないので我慢してもらうしかない。

「そういえばリラさんを捕らえていたのは二人だけかい?」
「もう一人男の人がいましたけど……目的を終えたらどこかに行ってしまいました」

 その男が戻ってくる可能性もあるし、早めにここから離れた方が良さそうだ。

「俺の背中に乗って、ここから移動しよう」
「えっ、でも……」

 見知らぬ男に背負われるのに抵抗があるのか少女は躊躇しているようだった。

「もう一人の男が戻ってくるかもしれないし、まずはここから移動しよう」

《説得:Lv1 発動》
《信用:Lv2 発動》

「わ、わかりました」

 低レベルだがどうやら技能(スキル)が成功してくれたようだ。

 少女を背中に背負うと俺は洞窟の出口へと向かって歩き出す。

「あの……重くないですか?」
「全然、すごく軽いから問題ないよ」

 ルリフィナさんの実践訓練の時に背負わされたリュックに比べれば遥かに軽い。

「お兄さんは力持ちなんですね」
「リラさんが軽いからだよ」

 この程度の重さなら、一度も休まずに背負って街まで歩いていける。
 例え魔物に襲われたとしても、この辺りの魔物なら走って逃げ切れるだろう。

「そ、そうですか……」

 少女を背負ったまま洞窟を出ると、俺は森の中を歩き、そして街へと向かう。
 移動中は特に会話もなく、気がつくと少女は俺の背中で眠っていた。
 そして何事もなく街に着いた頃には空は暗くなり夜になっていた。



 冒険者ギルドの建物の中に入ると受付嬢のお姉さんが俺に駆け寄ってきた。

「リラちゃんは無事でしたか!?」
「怪我はしていましたが、命に別状はないかと……ポーションを飲ませて簡単な治療しかしてないので、きちんと治癒魔法をかけた方がいいと思います」

 そう言って背中に背負った少女の姿を見せる。

「動かないと思ったら、眠っていたんですね」

 色々とあったようだし、精神的にも体力的にも疲れていたのだろう。

「すみませんがリラちゃんを治療室まで運んでもらえますか」
「わかりました」

 冒険者ギルドの建物には治療室と呼ばれるお金を払えば治癒魔法をかけてくれる部屋がある。
 利用できるのは冒険者のみで、お金をとられるが治癒魔法を使える仲間がいない冒険者にとっては必要な場所となっている。

 俺は治療室のベッドに少女を寝かせると、後は冒険者ギルドに雇われている神官(プリースト)に任せて部屋を出る。

「受付の時間も終わりなので奥の事務室で話をしませんか?」
「はい」

 どのみち依頼の報告をしなくてはいけないので迷うことなく俺は頷く。
 ちなみに受付の時間は終わっても治癒室は日付が変わるまで営業している。

 受付嬢のお姉さんに連れられ事務室に移動すると、俺は椅子に座らせられる。

「お茶を入れるから少し待っていてください」

 言われた通り少し待つと、お茶と一緒にお菓子まで出してくれた。

「まずはリラちゃんを助けてくれてありがとうございました」

 そう言って受付嬢のお姉さんは頭を下げる。

「いえ、これは報酬をもらう依頼ですから気にしないでください」

 冒険者は報酬のために依頼を受けるのであって、善意で依頼を受けるわけではないのだ……と思う。

「そうですね……それではまず報告を聞きましょうか」

 俺は森の洞窟で起きたことを受付嬢のお姉さんに説明する。

「リラちゃんは山賊に捕まっていたんですか…てんハーフエルフだから狙われたのかもしれませんね」
「ハーフエルフってそんなに特別なんですか?」

 珍しい種族だとは思うが、そこまで特別視するほどのものだとは思えない。

「その……エルフやハーフエルフは美人が多いですし、異種族を好む人からも性奴隷としての需要が高いんです」
「あー、そういうことでしたか」

 確かに助けた少女はかわいい顔をしていたし、将来美人になりそうな気はする。

「性的な目的で好む人もいますが、基本的にハーフエルフを嫌う人は多いですし、彼女にとっては辛い時代かもしれませんね」

 そういえば山賊の一人が少女の事を忌み子とか言っていた気がする。

「ハーフエルフって、なんでそんなに嫌われてるんですか?」
「そういえばスズナカさんは別の大陸の出身でしたね」

 異世界から来たと言うわけにもいかないので、俺はランドレース大陸とは違う大陸の出身ということになっている。

「魔王軍との戦争が起こる前から人間はエルフやドワーフとはあまり仲がよくなかったんですけど、戦争が終わってからは亜人に対する印象がかなり悪くなってしまって……」

 それで亜人狩りの対象になっていないエルフやドワーフの印象まで悪くなってしまっているわけか。

「特にハーフエルフはエルフ側からは禁忌の子として扱われてますし、人間側からも最近は忌み子などと呼ばれています」

 山賊の一人がやけにハーフエルフを嫌っていた理由がわかった。

「そういえばリラさんは、まだ冒険者になれるような年齢には見えませんでしたけど?」

 冒険者ギルドの登録は年齢制限があったはずだ。
 彼女の見た目だと年齢制限に引っ掛かる気がするのだが。

「彼女はハーフエルフなので人間よりも少しだけ成長が遅いんです」

 ゲームや漫画でもエルフは長寿だったりするし、ハーフエルフも人間より長生きなのだろう。

「もしかして俺よりも年上だったりは……」
「いえ、年下ですから安心してください」

 そこまで見た目と年齢が離れているわけではないようだ。
 それでも俺から見れば子供とあまり変わらないし、なぜ冒険者なんてやっているのかわからない。

「彼女のようなハーフエルフは冒険者になることが多いんですか?」
「ハーフエルフにも冒険者になる方はいますが特別多いというわけではないです、むしろ山奥の村で暮らしてる方のほうが多いと思います、ただリラちゃんの場合は住んでいた村が山賊に襲われて無くなってしまったので……」
「それって今隣街を占拠してる山賊団が関係してますか?」
「はい……隣街だけでなく、いくつもの集落や村が犠牲になっています」

 俺が思っている以上にサイトウ山賊団による被害は酷かったようだ。
 あの斉藤が関わっているなら同じ学院のクラスメイトとして複雑な想いだ。

「リラちゃんには身寄りもなかったらしく、村から一番近かったこの街で冒険者をすることにしたそうです」

 村は滅んで頼れる人間は誰もいない……そんな状況では仕方の無い選択だったのかもしれない。

「身寄りがないって言いましたけど、お姉さんはリラさんとはどういう関係なんですか?」

 赤の他人が救助の依頼を出すとは思えない。

「リラちゃんのお姉さんは冒険者で私の友人だったんです、だから何か手助けできればと……」

 本人とではなく、姉との繋がりだったようだ。

「……そうだったんですか」

 そして少女に身寄りがないということは、少女のお姉さんはもういないということだろう。

「心配なのでリラちゃんの治療が終わったら私の家に連れて帰ろうと思います」
「それがいいと思います」

 山賊に捕まって精神的にも参っているだろうし、一人にしておくよりはいいと思う。

「それでは少ないですが、こちらが報酬になります」

 受付嬢のお姉さんから袋に詰められた硬貨を受け取る。
 その量はEランクの討伐報酬と比べるとかなり多かった。

「いつもと比べると報酬の金額が多いんですけど」
「はい、状況にもよりますが今回のような救助の依頼なら相場はこれぐらいですよ」

 俺だってお金に余裕があるわけではないので、正式な報酬なら貰えるものは貰っておくことにする。

「それとこれは個人的なお願いなんですが……もしリラちゃんがあなたを頼ってきたら力になってあげてくれませんか?」
「頼むなら俺なんかより高ランクの人のほうがいいんじゃないですか?」
「ランクが高ければ良いというわけではないです、ハーフエルフに偏見を持たず私が信用できる人じゃないと」

 そうなると確かに相手は限られるが……。

「私がこの件で確実に信用できると判断した人はルリフィナ様とあなたくらいです」

 ルリフィナさんは魔王を倒した英雄だからわかるとして、一緒に自分の名前も並べられるとなんだか照れくさい。

 まあEランクの俺にできることなんて限られてるし、少し手助けするくらいなら問題ないか。

「わかりました……彼女が俺を頼ることがあるかはわかりませんが、頼られれば力になりますし、困っていたら手助けくらいはすると思います」
「ありがとうございます、お礼と言ってはなんですが……わ、私にして欲しいことがあれば言ってください、できることならしますので」

 なぜか受付嬢のお姉さんの顔が赤くなる。

「そうですね……それじゃあ困った事があったら相談に乗ってください」

 俺がこの世界で相談できるのはルリフィナさんくらいだし、今回のようにいつも側にいてくれるとは限らない。
 もう一人くらい年上の頼れる相談相手がいると安心できる。

「え、あ、はい……そのくらいでいいのなら」

 受付嬢のお姉さんは拍子抜けしたような顔をしていた。
 もしかしたら大金でも要求されると思っていたのかもしれない。

「それじゃあ俺はそろそろ帰りますね」
「は、はい、お疲れ様でした」

 こうして今日の依頼は無事に終わった。




 次の日、俺は再び冒険者ギルドに来ていた。

 昨日はパーティー探しが途中で中止になったので、今日はなんとしても俺が参加できるパーティーを見つけたい。
 そんなわけで昨日と同じくパーティー募集の張り紙が張ってある掲示板を見ていると……。

「あのあの……お兄さん、ちょっといいですか?」

 声のした方を振り返ると昨日助けた少女が立っていた。

オクプリ004a

「リラさん、もう体のほうはいいの?」
「はい、治療室で治癒魔法をかけてもらったので平気です」

 見たところ元気そうだし、違和感は感じない。
 あの怪我がこんなに早く治ってしまうのだから治癒魔法というのはすごい。

「昨日は本当にありがとうございました……助けてもらったご恩は忘れません」

 少女は俺に向かってペコリと頭を下げる。
 どうやらわざわざお礼を言いにきてくれたようだ。

「そんなに気にしないでいいよ」

 こっちは報酬をもらっているし仕事としてやったつもりだ。

「その……実はお兄さんにお願いがあってきました」
「お願いって?」

 昨日、受付嬢のお姉さんにも頼まれたし、困っていることがあるなら手伝うつもりだ。

「リラを……私をお兄さんのパーティーに入れてください!!」

 まさかパーティーに入りたいなんて言われるとは思っていなかった。

「パーティーって俺一人しかいないけど?」
「構いません、リラはお兄さんとパーティーを組みたいんです!!」

 そう言って少女は真っ直ぐに俺の目を見つめてくる。
 その目はとても真剣で本気の目をしていた。

「どうして俺なんかと……もっと他にも冒険者はいると思うけど?」

 いくらハーフエルフといえど他にもパーティーを組んでくれる冒険者はいるはずだ。

「お兄さんなら信じられると思ったからです」
「信じられる……俺が?」
「はい、パーティーメンバーに必要なのは強さじゃなくて、その人を信じられるかだって姉さんが言ってました」

 強さよりも大事なのは信じられるかどうか……綺麗事にも感じるが俺もそう思う。

「だからまずはリラのステータスを見てください」

 そう言って少女は能力鑑定板(ステ-タスプレート)を押し付けてくる。



【リラ・アイオライト】レベル3

 種 族:ハーフエルフ(♀)
 クラス:おっさん

【称号】

 奪われし者
 Fランク冒険者
 禁忌の子、忌み子

【基本能力】

 筋 力:F
 耐 久:F+
 魔 力:F
 器用さ:F
 敏 捷:F

【技能】

《クラス技能》

 暴力      :Lv1
 放屁      :Lv1
 くしゃみ    :Lv1
 唾吐き     :Lv1

《固有技能》

 忍耐      :Lv30
 心眼      :Lv2



「えーと、これは能力鑑定板(ステ-タスプレート)の故障かな?」

 能力鑑定板(ステ-タスプレート)に表示された内容があまりに信じられなかったので確認してみる。

「いえ、能力鑑定板(ステ-タスプレート)は正常です」
「いやいや『おっさん』って……そんなクラスありえるわけないし」

 いくらなんでも『おっさん』はないと思う。

「言いたい事はわかりますけど、実際に表示されてるってことは本当の事なんです」
「そんなこと言われてもなぁ……」

 そもそも俺よりも年下の少女のクラスが『おっさん』だなんて、どう考えてもおかしい。

「今のリラのクラスは『おっさん』なんです、本当は別のクラスだったんですけど……奪われてしまったんです」
「奪われたってどういうこと?」
「言葉通りの意味です、山賊に攫われた時にリラはクラスを奪われているんです」

 クラスを奪われるなんてそんなことがありえるのか?

「お兄さんが来る前に洞窟にはもう一人男の人がいたんです、その人がリラのクラスを奪って、そしてリラを『おっさん』のクラスに変えたんです」

 人のクラスを奪って変化させる……そういう技能(スキル)が存在するってことなのか?

 その時、山賊の言葉を思い出す……。

『てめぇにはもう何もないんだよ!!将来の夢も希望も全部奪われたんだ!!』

 あの時の言葉はそういう意味だったのか……。

 だとすると俺が知らないだけでそういう技能(スキル)が存在しているのかもしれない。

「わかったよ、リラさんの言ってることを信じる……だけどなんで俺に自分のクラスを教えるような事をしたんだい?」

 『おっさん』なんていうわけのわからないクラスを知れば普通はパーティーなんて組もうとは思わない。

「自分のクラスを隠してお兄さんのパーティーに入るような真似はしたくなかったんです、だからリラのクラスを知った上で、それでもパーティーを組んでもいいか判断してください」

 ただでさえハーフエルフという事で偏見の目で見られてるのに、こんなに真っ直ぐだと、この娘はこの先も苦労しそうだ。

「なるほどね……それじゃあ一つ聞くけど、キミは『おっさん』なんてクラスになっても冒険者を続けるのはどうしてだい?」

 身寄りのない彼女にはそれしか選択肢がないのかもしれないが、理由はそれだけではない気がする。
 俺は自分のクラスを『おっさん』なんかに変えられても彼女が冒険者を目指す理由を知りたい。

「だってリラには夢があります、姉さんの様な立派な冒険者になるって夢が……例えクラスが変わってもその夢は変わりません!!」

 ハーフエルフだと侮蔑されて自分のクラスを奪われて……それでもこの娘は自分の夢をあきらていないのか。

 子供だから現実が見えていないと言えばそれまでだが……俺はそうは思わない。

「……わかったよ、俺とパーティーを組もう」

 この娘はきっと俺にはないモノを持っている、だからこそ俺はこの娘を応援したい。

「あ、ありがとうございます!!精一杯がんばるのでこれからよろしくお願いします!!」

 少女は俺に向かって何度もペコペコと頭を下げる。

「こちらこそよろしくね、リラさん」
「リラでいいですよ、お兄さん」
「わかった……これからよろしくリラ!!」

 こうして少女は……リラは俺のパーティーメンバーになった。


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